猫は自分で毛づくろいをする動物ですが、それだけでは汚れやニオイを完全に落とすことはできません。
特に、室内飼いではなく外に出る猫は、ノミやダニなどの寄生虫や感染症のリスクが高くなります。
そのため、定期的にシャンプーをして清潔に保つことが大切です。
しかし、猫のシャンプーは人間のシャンプーとは違います。
猫の皮膚は人間よりも弱く、pH(水素イオン指数)も異なります。
人間用のシャンプーを使うと、猫の皮膚を刺激したり乾燥させたりして、かゆみやかぶれなどの皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。
また、猫はシャンプーの匂いや感触が苦手な場合が多く、ストレスを感じることもあります。
そこで、今回は猫のシャンプーについて、以下の3点についてご紹介します。
- 猫のシャンプーの必要性と頻度
- 猫用シャンプーの種類と選び方
- 猫のシャンプーのコツと注意点
これらの情報をぜひ参考にして、愛猫の健康と快適さを考慮したシャンプーを行い、愛猫との暮らしを楽しみましょう。
猫のシャンプーの必要性と頻度

シャンプーが猫の健康と美容に与える影響
猫の健康と美容において、シャンプーは非常に重要な役割を果たします。正しいシャンプーの選択と使用は、猫が快適で健康的な生活を送るために欠かせません。
なぜ猫にシャンプーが必要なのか?
一般的に、猫は自ら全身を毛づくろいし、体を清潔に保つことができる動物です。
そのため、シャンプーは必要ないと考えられることもあります。
しかし、シャンプーをすることで、猫の健康や快適さを保つことができます。
1. 皮膚の健康維持
猫の皮膚は非常に敏感であり、定期的なシャンプーは皮膚の健康を維持するのに役立ちます。適切なシャンプーによって、余分な皮脂や汚れが取り除かれ、清潔で健康な皮膚が保たれます。これにより、皮膚トラブルやアレルギーのリスクが低減されます。
2. 被毛の美しさとつや
シャンプーは猫の被毛にも良い影響を与えます。清潔な被毛は美しくつややかであり、猫の健康状態や幸福感を反映します。適切なシャンプーによって被毛の潤いが保たれ、毛並みが良くなります。
3. 寄生虫の予防
一部のシャンプーには薬用成分が含まれており、これによってノミやダニなどの寄生虫の予防が可能です。特に屋外に出る機会の多い猫にとっては、寄生虫予防が重要です。適切なシャンプーによって、これらの寄生虫から猫を守ることができます。
猫にシャンプーをする頻度は?
猫にシャンプーをする頻度は、猫によって異なります。
あまり頻繁に洗うと、皮膚にもともと備わっているバリア機能が崩れるなどして、皮膚トラブルの原因にもなるため、愛猫の皮膚のコンディションを診察してもらい、獣医師の指示する頻度でシャンプーを行ってください。
一般的には、以下のような目安があります。
- 短毛種:年2回程度(換毛期に合わせる)
- 長毛種:月1回以上(被毛の絡まりや毛玉の予防)
- 無毛種:月1回以上(皮脂分泌量が多いため)
ただし、これらはあくまで目安であり、個体差や季節差もあります。
また、シャンプーの目的にもよります。
例えば、アレルギーや皮膚病の治療のためには、週1回程度のシャンプーが必要な場合もあります。
猫のシャンプーをするタイミングは?
猫にシャンプーをするタイミングも、猫や環境によって異なります。
一概に「この時期」とはいえません。
シャンプーの目的にもよりますし、気温や湿度などの環境要因も考慮する必要があります。
獣医師に相談のうえ行うといいでしょう。
ただし、以下のようなことは避けるべきです。
- 食後すぐや空腹時にシャンプーをする
- 疲れているときや体調が悪いときにシャンプーをする
- 寒い日や暑い日にシャンプーをする
- 夜間にシャンプーをする
これらは、猫のストレスや体調不良を招く可能性があります。
また、シャンプー後は、猫が風邪をひかないように、しっかりと乾かしてあげることが大切です。
猫用シャンプーの種類と選び方
シャンプー選びの大切さ
猫に合ったシャンプーを選ぶことは、効果を最大限に引き出すうえで不可欠です。以下のポイントに留意して、猫に合ったシャンプーを選びましょう。
猫用シャンプーの種類
猫用シャンプーの主なタイプとその特徴についてご紹介します。
- 洗い流すタイプ:人間のシャンプーと同様に、被毛を濡らしてからシャンプーで洗い、お湯ですすいで洗い流すタイプです。皮膚までしっかりと洗えるのが特徴で、皮膚炎やノミ・マダニ対策などを目的とした薬用シャンプーもあります。
洗い流すタイプ: 洗い流すタイプの猫用シャンプーは、一般的な人間のシャンプーと同じように使用します。 被毛をしっかり洗い、お湯で洗い流すことができます。 特に皮膚炎やノミ・マダニ対策が必要な場合には、薬用シャンプーも選択肢の一つです。 - ウォーターレスタイプ(ドライシャンプー):水を使わないシャンプーは、水が苦手な猫におすすめのシャンプーです。泡タイプやスプレータイプ、パウダータイプなどさまざまな種類があります。スプレーやパウダーなどで汚れを落とし、ブラッシングで仕上げます。ただし、完全に汚れを落とすことはできませんので、定期的な水洗いも必要です⁵。
水を使わないシャンプーは、水が苦手な猫にとって理想的です。 忙しい時や急な汚れのケアに便利です。 - 拭くだけのタオルタイプ:ちょっとした部分的な汚れや日ごろのケアにおすすめです。シートでさっと拭くだけなので、ドライシャンプーすら苦手という猫にも、ストレスなく被毛のケアをしてあげることができます。
- 薬用シャンプー:ノミやダニ取りタイプのシャンプーは、そういった寄生虫を弱らせる目的で使えます。
ノミやダニ対策が必要な場合には、薬用シャンプーが役立ちます。 寄生虫を弱らせ、予防する効果が期待できます。ノミやダニ取りタイプのシャンプーは、そういった寄生虫を弱らせる目的で使えます。しかし、これらのシャンプーは薬剤が含まれており、副作用やアレルギー反応を起こす可能性もあります。必ず獣医師の指示に従って使用しましょう。 - 無添加やオーガニック成分:安全で低刺激な無添加やオーガニック成分を配合したシャンプーもあります。合成界面活性剤や香料、着色料などが入っていると、猫の皮膚や目に刺激を与える可能性があるので、安全性が重視され繊細な猫の皮膚にも優しいです。
- 消臭シャンプー:猫のニオイが気になるときには、緑茶エキス・大豆脂肪エキスなどの消臭成分を配合した消臭力のあるタイプがおすすめです。
- 弱酸性タイプ:人間の肌は弱酸性ですが、猫の皮膚は中性から弱アルカリ性です。そのため、優しいイメージのある弱酸性シャンプーですが、猫にとっては洗浄力の強いタイプとなります。このタイプのシャンプーは、汚れがひどい場合や皮脂分泌が多い場合に適しています。
- アミノ酸タイプ:タンパク質のもととなるアミノ酸タイプのシャンプーは、猫の被毛をすこやかに保ちます。また、皮膚のバリア機能を高める効果もあります。
猫用シャンプーの選び方
- 目的に合わせて選ぶ:愛猫の何が気になっているのか、目的に合ったシャンプーを選ぶことが大切です。例えば、皮脂対策やノミ対策、または毛並みをよくするなど。
- 長毛種か短毛種か:特に毛が絡みやすい長毛種の猫ちゃんは、トリートメント成分が配合されているものがおすすめです。
- 成分をチェック:猫の皮膚は人間の肌よりデリケートです。そのため、成分はとくに気にしてあげたい部分です。安全で低刺激な無添加やオーガニック成分が良いでしょう。
- 香りをチェック:猫は急にシャンプーの匂いが変わるとストレスと感じる場合があります。そのため、無香料や微香料のシャンプーを選ぶと良いでしょう。
これらの種類から、愛猫の状況やニーズに合わせて選ぶことが大切です。以下のポイントに注意してください:
- 猫の年齢や体調、被毛の状態などを考慮して、適切なシャンプーを選びましょう。例えば、子猫や老猫は皮膚が敏感なので、低刺激タイプが良いでしょう。
- 猫の好みや性格にも配慮して、ストレスを減らすようにしましょう。例えば、水が嫌いな猫はウォーターレスタイプやシャンプータオルタイプが良いでしょう。
- シャンプーの使用方法や頻度にも気をつけましょう。例えば、弱酸性タイプや薬用タイプは洗浄力が強いので、頻繁に使うと皮膚を乾燥させる可能性があります³⁵。また、シャンプー後はしっかりとすすぎと乾かしを行いましょう。
もし不明な点があれば、獣医師に相談することをおすすめします。猫用シャンプーは、愛猫の健康と美容に大きく影響します。正しい知識と方法で、愛猫に快適なシャンプータイムを提供しましょう。
お湯で洗い流すタイプ | しっかりと洗浄できるが、 水が苦手な猫には避けるべき。 |
水のいらないタイプ | 水を使わずに洗浄でき、水嫌いな猫に最適。 |
拭くだけのタオルタイプ | 部分的な汚れやケアに便利。 |
無添加やオーガニック成分 | 猫の敏感な皮膚に優しい。 |
洗浄力の高い弱酸性 | 猫の皮膚に合った洗浄力。 |
猫の皮膚や毛に優しいアミノ酸 | 被毛を守るための優れた成分。 |
ノミ・ダニから守る殺虫成分 | 屋外での活動が多い猫に有効。 |
その他の特徴や特性
消臭力
- 猫のニオイが気になるときには、緑茶エキス・大豆脂肪エキスなどの消臭成分を配合した消臭力のあるタイプがおすすめです。
香りが少ないタイプを選ぶ
- 嗅覚のすぐれている猫は、自分以外のニオイをストレスに感じてしまいます。できるだけ猫の負担を減らすためにも、無香料や微香料のシャンプーを選ぶと良いでしょう。
猫の種類と頻度に合わせて容量を選ぶ
- シャンプーの頻度に合わせて使い切れそうな容量を選びましょう。
容器のタイプで選ぶ
- 容器の使い勝手の良さもシャンプー選びにおいて重視しておきたいポイントの1つです。
以上のポイントを押さえて、愛猫にぴったりのシャンプーを見つけてくださいね!
猫のシャンプーのコツと注意点

猫のシャンプーの方法と注意点について、解説していきます。猫は水が苦手な動物なので、シャンプーをする際にはいくつかのコツと注意点があります。
以下のポイントを押さえて、猫にとって快適で安全なシャンプーを行いましょう。
猫のシャンプーの方法は?
猫のシャンプーの方法は、以下のような手順で行います。
- シャンプー前に、ブラッシングや爪切りなどをしておく
シャンプーをする前には、猫の毛づくろいを手伝ってあげましょう。ブラッシングをすることで、毛玉や絡まりを取り除き、シャンプーがしやすくなります。特に長毛種の猫は、毛玉が固まってもつれやすくなるので、しっかりとブラッシングをしてあげる必要があります。
爪を切っておくこと。猫は水嫌いなので、噛んだり引っ掻いたりすることがあります。 - 段取りを頭に入れておく
シャンプーをする前には、必要な道具や場所を準備しておきましょう。シャンプー中に何かが足りなくなったり、場所を移動したりすると、猫が不安やストレスを感じる可能性があります。また、シャンプー後はすぐに乾かしてあげることが大切です。ドライヤーを使う場合は、音や風に慣れさせておくことも忘れずに行いましょう。 - シャンプー用のバスタブや洗面器にぬるま湯を張る(水温は38~40℃程度)
- 猫を優しく抱きかかえて、お風呂場に連れていく
- 水で濡らしたタオルで、猫の顔や耳を拭く(目や鼻や口は避ける)
- 猫用のシャンプーを手に取り、泡立ててから、猫の首から尻尾に向かって優しく洗う(目や鼻や口は避ける)
- 洗った部分をすぐに流す(水圧が強すぎないように注意)
- 全身を洗い終わったら、水気を絞ってタオルで包む
- ドライヤーで乾かす(温風で弱風に設定し、距離をとって当てる)
- 乾いたら、ブラッシングや耳掃除などをしておく
以上が、猫のシャンプーの基本的な方法です。
ただし、猫は水嫌いな動物ですし、シャンプーはストレスになります。
そのため、無理にシャンプーをする必要はありません。
また、シャンプー中や後に猫が異常な様子を見せたら、すぐに中止してください。
必要に応じて、獣医師に相談してください。
猫のシャンプー 注意すべきポイント
猫にシャンプーをする場合は、以下の点に注意してください。
- 猫用のシャンプーを使用すること。人間用や犬用のシャンプーは、猫の皮膚に合わない成分が含まれている可能性があります。
- 顔に水をかけない:猫は顔に水をかけられることを特に嫌います。身体をぬらす時は、ぬるま湯を足やお尻など顔から遠い部分からかけて徐々に慣らすことが大切です。
- シャンプー中は水温や水圧に気を付けること。水温は人肌程度(約38℃)、水圧は弱めに設定してください。
- しっかりと洗い流す:シャンプー剤が残らないよう充分にすすぎます。
- シャンプー後はしっかり乾かすこと。ドライヤーを使う場合は、低温・低風量で距離を取って当ててください。
- シャンプー後は暖かい場所で休ませること。体温調節が苦手な猫は、冷えやすく風邪を引きやすいです。
- 嫌がる場合は無理に行わない:猫に長時間のシャンプーは大変難しいため、無理せず行いましょう。全身を洗うのが苦手であれば、おしり周りと足先だけで構いません。
猫は基本的にシャンプーが必要ありません。自然界では水場から離れて暮らすことが多いため、水に対して恐怖心や嫌悪感を持っています。そのため、無理やりシャンプーをすることは、猫にとって大きなストレスになります。あまりにも嫌がる場合は、獣医師の相談し指示に従って行いましょう。
以上が、猫のシャンプーの方法と注意点についての解説でした。猫の健康と快適さを最優先に考えて、適切なケアを行ってください。もし不明な点があれば、獣医師に相談することをおすすめします。
猫のシャンプー メリットは?

猫をシャンプーすることによって、以下のようなメリットが生まれます¹³:
- 毛が生え変わりする時期の嘔吐が防げる:猫は春先と秋口の年に2回の換毛期と呼ばれる、毛の生え変わる時期があります。この時期には、抜ける毛と生える毛が同時に混在することになり、毛量が増加。猫の習性である毛繕いでネコちゃんが飲み込んでしまう毛の量も増えるため、毛玉を嘔吐しやすくなります。そのため換毛期の頻繁な毛玉の嘔吐には、余分な抜け毛を除去できるシャンプーが有効です。
- 猫の皮膚や毛の健康を保つ
猫は皮膚のトラブルや毛玉などの問題を抱えることがあります。シャンプーをすることで、皮膚や毛に付着した汚れや皮脂、ダニなどを洗い流し、炎症やかゆみ、毛の絡まりなどを予防することができます。また、シャンプー後にブラッシングをすることで、毛のツヤやボリュームもアップします。 - アレルギー予防になる:人間が猫アレルギーを引き起こすアレルゲンには、猫の皮膚や唾液腺から分泌される物質があり、これらは猫をシャンプーすることで大幅に減らすことが可能です³。猫の毛やフケは人間のアレルギーの原因となることがあります。シャンプーをすることで、アレルゲンを減らし、飼い主や家族のアレルギー症状を軽減することができます。
- 猫がいい匂いになる:人間がお風呂に入ると、体臭を洗い流して石鹸のいい匂いをまとえます。ネコちゃんのシャンプーも同様で、猫の体臭や汚れを洗い流していい匂いにすることがメリットのひとつです³。
- ノミダニのケアができる:外飼い・室内猫でも外へ出る機会がある愛猫で、「体を非常にかゆがる」「頻繁に毛繕いをする」「被毛に黒い粒のフンがある」場合は、ノミ・ダニが寄生している可能性があります。その場合には、ノミ取り用の薬用シャンプーを使って体を洗うことが有効です。
これらのメリットを得るためには、適切なシャンプーの方法と頻度が重要です。また、猫のストレスを最小限に抑えるためにも、猫がシャンプーを嫌がる場合は無理に行わないようにしましょう。
以上のように、猫をシャンプーすることによって猫と飼い主には様々なメリットが生まれます。
しかし、シャンプーは頻度や方法に注意しなければなりません。
過度なシャンプーは逆効果になる場合もあります。
また、猫の種類や性格、健康状態などによってもシャンプーの必要性や適切さは異なります。
そのため、よく注意して行い、疑問に感じることがあれば必ず獣医師や専門家に相談しましょう。
もともと、猫は水を嫌うもの。シャンプーに慣れさせるには子猫の頃から習慣づけるのが一番です。
最後までお読みいただきありがとうございました!