大切な愛猫には健康に長生きしてほしいですよね。
でも、初めて猫を飼う人にとっては、猫の日々の健康管理についてまだまだ知識不足だと感じることも多いのではないでしょうか。
年齢を重ねるにつれて、必要なケアも変わってきますし、病気でもしようものなら、初めて見る症状に心配で大わらわ。
そこで今回は、初めて猫を飼う人が知っておきたい猫の健康管理について解説します!
《信頼できる動物病院を見つける》

猫の健康管理のためには、信頼できる動物病院を見つけることが大切です。
動物病院では病気の治療をしてもらえるだけでなく、日々の健康管理について相談することもできます。
また、この後紹介する猫の病気への予防対策も行なってくれるので、相談しやすい病院を見つけておきましょう。
【動物病院探しのポイント】
・近くにあって行きやすい
・夜間や休日も診察している
・口コミの評判が良い
・猫の診療に慣れている
また、動物病院のホームページやパンフレットなどで、診療内容や料金体系を確認しておきましょう。
動物病院では以下のような診療行為も行なってくれます。
《ワクチン接種》
猫には、猫伝染性腹膜炎、猫カリシウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症などの、命にかかわる病気があります。
これらの病気はワクチン接種で予防できるので、子猫の頃から定期的に受けましょう。
ペットショップやブリーダーから買った子はある程度必要なワクチン接種が済んだ状態で引き渡されますが、捨て猫・野良猫に関しては接種の必要性について獣医に相談しつつ進めていく必要があります。
«避妊・去勢手術»
猫は発情期になると、鳴き声が大きく鳴いたり、家具をひっかいたりするなどの行動が目立ちます。
飼い主の生活の支障になったり、近所迷惑になってしまう可能性があるため適切に対処しましょう。
妊娠する可能性があるということは子猫が生まれ猫が増える可能性があるということ。
きちんと世話ができ、すべての猫の行動を管理できるならよいのですが、その子が子猫を産み、どんどん増えてしまうのでそうなる前に対策が必要です。
管理しきれなくなった猫が路頭に迷ったり近所でたむろして迷惑をかけてしまわないよう、避妊手術を検討しましょう。
《寄生虫予防》
猫はノミやダニなどの寄生虫に寄生されやすい生き物です。猫の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、人間に感染する可能性もあります。
定期的に寄生虫駆除薬を投与することで予防することができますので、動物病院でかかりつけの獣医に相談してみましょう。
《日々の健康管理》

医療を通じて猫の健康管理を行うのも大切ですが、病気にならないためには日々の健康管理も大切です。
人間の健康にとって食事や排泄、睡眠、入浴などが大切なのと同じで、猫の健康にも日々の生活習慣やケアが欠かせません。
また、日々の健康状態を把握しておくことで、病気になった時の体のSOSサインにいち早く気づくことができます。
猫は痛い、痒い、気持ち悪いなどの症状を訴えることができませんから、病気の早期発見には小さな変化も見逃せません。
では、愛猫を健やかに保ち、体が出すサインに気づくにはどんなことに気をつければ良いでしょうか。
《食事や水分摂取の管理》
猫は肉食動物なので、タンパク質を多く含んだ食事を心がけましょう。
食べても大きな害はありませんが、穀物類は猫に必要がなく、元々穀物を消化しやすい体の構造ではないため、消化不良や下痢になる可能性があります。
もちろん、猫にも食物アレルギーはあるのでアレルゲンとなる食べ物を把握しておきましょう。
猫は元々乾燥地帯に生息していた動物なので、少ない水分でも足りる体の仕組みではありますが猫自身も積極的に水分を摂ろうとする本能がありません。
食事にウェットフードを併用するようにすると食事から大部分の水分はまかなえますが、それだけではたりません。
お皿に水を入れて放っておくだけでは全然飲まない子もいるので水の飲ませ方を工夫しましょう。
日頃の食事や水分の摂取量を把握しておくことで、急に食べなくなったときに病気の可能性を疑い、早期発見できる可能性があります。
《排泄》
簡単ではありませんが、猫はきちんと躾ければトイレで排泄することを覚えてくれます。
ただトイレ砂を交換するのではなく、便秘の有無や尿や便の色調•性状などを観察しましょう。
血尿や血便、下痢などの異常が見られたら、速やかに受診しましょう。
《ブラッシング》
猫は自分で毛づくろいをしますが、その際に毛玉を飲み込んでしまい消化できずに吐いてしまうため、定期的にブラッシングをして毛玉を取り除いてあげましょう。
ブラッシングをすることで血行も良くなり、皮膚を清潔に保つことができます。
ノミやダニを発見することもできるので、こまめにブラッシングをすることで早めに気づき、治療してあげることができるでしょう。
《定期的に健康診断を受けよう》
猫を健康に長生きさせるためには、定期的な健康診断を受けることが大切です。
健康診断では、体重や血液検査、レントゲン検査などを行い、日常生活だけではわからない猫の健康状態を把握することができます。
健康診断の結果のフィードバックを受ける際に、先ほどご紹介した食事や水分摂取の状況、排尿•排便の状況を獣医に伝えると、よりきめ細やかな健康についてのアドバイスを受けることができるでしょう。
また、普段ペットが風邪など引かず元気だとなかなか病院にも足が向きません。
定期健康診断の際には日頃気になっている行動などをメモしておいて相談したり、予防接種のタイミングなども確認しておきましょう。
《猫の健康管理について学び、健康に長生きしてもらおう》

猫の健康管理は、飼い主の責任です。
猫はマイペースで、命令されたり気が向かないことを無理強いさせられたりするのを嫌がるため、トイレなど最低限の躾ができたら放任できて育てやすい面はあります。
だからといって、猫は放っておけば自分の命や健康を守る行動をとってくれるわけではないのです。
野生の猫は、危険から遠ざけてくれたり、栄養バランスの管理をしてくれる飼い主がいないため、事故や病気に遭いやすく、短命です。
人間だって、誰にも管理されず欲望のままに生活したら、好きなものばかり食べて運動もせず、不健康な生活による生活習慣病になってしまいますよね。
まして、健康に関する知識を学ぶ、あるいはそれを教えることができない猫は、飼い主がしっかり健康管理してあげることで野生の猫本来の平均寿命よりはるかに長生きできるのです。
事実ここ数十年で猫の平均寿命が大幅に延びているのは、猫の安全管理や健康管理などの飼い方全般に関する知識が広まり、飼い主の知識・意識レベルが向上していることが1つの要因として挙げられるでしょう。
猫を飼う際にはしっかり知識を身につけて健康管理が万全にできるように整えてから迎えてあげると、より大切な猫ちゃんと長く一緒に過ごすことができるはず。
もちろん、猫の性格や体質も千差万別なので、ネットや本で調べた通りにいくとは限りません。
他の飼い主さんや獣医、ペットショップなど知識や経験がある方にも相談しながら愛猫の健康をサポートしてあげましょう。